【第18号】富士山噴火と大地震。想定される3つのシナリオ

 

 

 

箱根山が危険な動きを見せている。大涌谷では白い蒸気が立ち上り、気象庁は5月上旬、噴火警戒レベルを1から2(火口周辺規制)に引き上げた。

 

東日本大震災から4年が過ぎ、「311の地震をきっかけに、列島の火山が活動期に入った」と専門家らは口をそろえて指摘する。

 

では一体、箱根山の活動は何を意味しているのか。富士山の噴火につながると考える防災関係者もいるが、その直前に大地震の発生を指摘する専門家は多い。これから予測される「シナリオ」は次の通り。

 

 

 

①東海・東南海・南海地震が同時発生

 

 太平洋側に甚大な被害をもたらす大地震。過去には、赤穂浪士の討ち入りから3年余り、170710月に発生した宝永大地震がこれに当たる。当時2万人ともいわれる死者を出した。この49日後に富士山が噴火を起こす「宝永大噴火」があった。100㌔離れた江戸の町にも大量の灰が降り注いだ。

 

 

 

②東京直下型地震

 

地殻変動の専門家である元前橋工科大教授の濱嶌良吉氏は、箱根山など活火山の動きは「東京直下型の前触れではないか」と推測する。東日本大地震で解放されたエネルギーで東京から地震は遠のいたという見方もあったが、濱嶌氏は関東地方にこのエネルギーが移ってきているとする。また、311でプレートが千葉まで下りてきて、房総沖の海溝、相模トラフも動いているという。相模トラフは過去、元禄大地震1703年)、関東大地震(1923年)を引き起こしている。

 

 

 

③想定外の巨大地震

 

①、②を上回る地殻大変動の可能性もある。高知大を中心とした研究グループが先月、三重県でかつてない巨大津波跡を発見したと発表。2000年前のもので、東海、東南海、南海地震の3連動大地震だった宝永大地震よりも、大きな地震があった痕跡と推定される。調査チームの岡村真・高知大特任教授は、7000年間に6回程、宝永大地震を超える地震があり、巨大津波が太平洋側に押し寄せているという。

 

鹿児島・口永良部では大噴火、小笠原沖ではマグネチュー81の地震があったばかり。これらと上記の地殻大変動との関係は今のところはっきりしないが、①、②、③のシナリオいずれも、発生すれば壊滅的被害を引き起こすおそれがある。