【第31号】日本のがん治療は30年遅れ

 

 

 

◎代替両方を進めた米国では、がんによる死亡率減少

 

日本では昨年、36万7000人もの患者が「がん」で命を落とした。がんになる人も毎年増えている。がんとどう向き合い、どう治療していくのか。米国に探った。

米カルフォルニア大学教授で1978年に亡くなったハーディン・B・ジョーンズ博士の研究によると、がん治療を拒否した患者は平均12年半生存し、治療を受け入れた患者は3年でしかなかった。

 

博士は、化学療法による患者は早く亡くなっただけでなく、治療中も苦しみも余儀なくされることから「化学療法は効果がない」と結論づけている。このような研究もあって、米政府は、30年も前に「放射線、抗がん剤、手術は効果無し」と公的に認めた。
 

 

それ以降は国を挙げて、食事、健康食品、東洋医学、瞑想、音楽療法などの「代替療法」を推進。現在は約半数以上の医師が代替療法を推奨し、9割を超える患者がなんらかの代替療法を利用しているという。
 

米国のフレッド・ハチンソンがん研究センターは97年から98年にかけて、がんと診断されたワシントン州の住民356人に電話で調査を行った。97%が何らかの代替療法を利用し、「体調が良くなった」と答えた。


その内、17%の人は自然療法やマッサージ療法の代替療法専門医にかかっており、20%は催眠療法やイメージ療法などのメンタル系の代替療法を取り入れていた。さらに60%はサプリメントを利用していた。
 

これらの取り組みで、がん死亡率は80年から2010年まで約30%も減少(米国がん協会)。特に90年代に入ってからは死亡率は毎年下がり、さらに罹患率の増加までも押さえ込むことに成功した。これらの成果は「治療の大転換」があったからだ。

 

 

◎「手術で延命」データ無い
 

米国でがん医療の研修を受けたこともある医師はこう言う。「米国の病院でも既存のがん治療に代替療法を組み入れているところが増えていますし、患者さんも代替療法をよく勉強していますよ」
 

米国は代替療法に関する情報も豊富だ。公的な機関が詳しい情報を発信するなど、患者本位の医療の考えが浸透している(米がん代替治療の関連サイトの一部は厚労省のサイトで翻訳され、閲覧できる。)
 

一方、日本においては依然、手術、抗がん剤、放射線の3大治療が幅を利かせている。特に医師たちの間では「がんは切るもの」とする〝手術信仰〟が根強い。
 

ところが、「『余命3カ月』のウソ」の著者・近藤誠医師は「手術をしたからがん患者の寿命が延びたというデータは存在しない」と指摘する。
 

日本における代替療法の利用は10%以下に留まっており、欧米から見れば「日本のがん治療は30年遅れている」と言われているのが現状だ。